カトリックQ&A
シスターになるのは、どういう人たちなのですか。体験のために修道院に一時的に入れてもらうことはできないのでしょうか。
シスターになるには、まず洗礼を受けてキリスト者となってから数年たっていることが前提となります。要するにシスターたちは、その「キリストの者となる」ことを、もっと徹底した形で実現したいと考えて、さまざまな生き方の可能性を検討した上で、一つの修道会の会員として生涯を送ることが自分の一生にとっていちばん意味あることなのだ、と確信した人たちです。
これは、キリスト者として、いわば例外的な生き方です。自分の生涯を賭けて、ラジカルな形で福音の精神に生きようとする生き方です。人によっては、それが人格を開花させる、真に幸せな生き方となるでしょう。でも、だれにでも向いているというわけではありません。まして、人生に失望したり、この世のわずらわしさから逃避したくなったという理由で、修道院に安息の地を求めるとしたら、それはとんでもない錯覚です。修道院は安息の地ではなく、むしろキリストに従って生きようとする者の、厳しい戦いの場だからです。
修道生活は、特別の恵みがなければできません。修道生活が自然にそなわっている素質や性格を抑圧することなく、むしろこれを豊かに開花させ、真に幸せなものとなるためには、人の意志とか力だけでは足りません。そのために修道生活への適性は、神からの「召し出し」と呼ばれています。神が特別に選んで、そのための恵みを与えてくださらなければ、それを生涯にわたってまっとうすることはできないからです。
修道会によっては、体験のために志願者を一時的に迎え入れてくれる所もあるでしょう。そこで修道者たちと一緒に生活してみて、そのような生活様式が自分にとって向いているかどうかを、神の前に静かに考えてみるのもよいでしょう。いずれにせよ私は、このことに関しては経験ある指導者に相談して、指導を受けることを勧めます。