カトリックQ&A
これまで、かなりキリスト教の勉強をしたのですが、もう一つ腑に落ちません。すなおに信じている人を見て、うらやましくなります。私は生まれつき、不信仰者なのでしょうか。
いいえ、それは違います。不信仰者に生まれた者など、この世には存在しません。表面的には宗教心の深い性格とか、そうでないとか言えるかもしれませんが、人はだれしも神によって造られ、しかも神に向けて造られたのですから、神を求めるのが自然だし、神の恵みに生かされるとき初めてしあわせになります。
ただ、勉強をしても、頭でわかっているだけで、単なる知識のレベルにとどまっている、ということはあるかもしれませんね。知識だけで心がともなわないなら、それはまだキリストを真に知ったことにはなりません。それは、どんなに念入りに電気配線をしても、スイッチを入れなければ、ライトに光が灯らないようなものです。
私は、少し「祈る」ことをお勧めします。静かに神の前に自分を置いて、耳を澄ませてみたらどうでしょう。今まで気づかなかったことに気づかされるかもしません。
キリスト教の信仰とは、端的に言って、イエス・キリストと出会って、キリストをとおして父なる神を知る、ということです。そして、このイエス・キリストとの出会いは、最終的には知識の問題ではありません。むしろ、キリストの心を感じることだ、と言ってもよいかもしれません。心は、ただ心でもって受けとめられるものですね。だからキリストの心は、やはり心でもって受けとめなければなりません。