カトリックQ&A
クリスチャンは酒もタバコものまないと聞きます。そのように厳しいモラルを守れない人はクリスチャンにはなれないのでしょうか。
クリスチャンが酒もタバコものまないというイメージは、たぶんキリスト教のある教派の、とくにアメリカから日本に伝えられた、敬虔なクリスチャンのグループの教えに由来するのでしょう。その人たちを私は尊敬しますが、でもクリスチャンが皆そうだ、と言うわけではありませんよ。ドイツに行くと、ビールやワインが修道院付きの酒倉で造られていたりして、昔から修道院で造る酒はおいしくて有名でした。
私は酒もたばこも好きですが、だからと言って弁解のためにこんな話をするのではありません。だいいち、イエス自身がどうだったかと言えば、イエスは、どんな人とも屈託なくつきあって、泣く人とともに泣き、笑う人とともに笑いました。当時の敬虔なユダヤ教徒からは、「大食漢で大酒のみだ」(マタイ11の19)とさえ非難されています。だからキリストの教会は、本来はどんな人にも開かれたものであって、決して上品なエリートたちの集まりではないはずです。きれいに殺菌した蒸留水はおいしくないですね。そのような人間味がなくてつまらないものを、キリスト教だと思わないでください。